「エネルギーバンパイア」の攻撃①

夕暮れ教えて

秋分の日が過ぎると、夕暮れの訪れが本当に早くなります。
仕事を終え、アパートに帰るころには薄暗くなります。
だからでしょうか…。
何だかツラい事が続きます。
いったい何が起きているのでしょうか…?

過去

私の職場には「エネルギーバンパイア」と言われる存在の人がいます。
良い人の仮面を被って近づき、その人のエネルギーを吸い取る吸血鬼。
本当に恐ろしい存在です。

私が「エネルギーバンパイア」の存在を知ってからは、その人に近づかず距離を置く事で自分を守ってきました。
同じ職場に居る以上、まったく関わらないと言う訳にはいきません。
私もそれなりに社会人として経験を積んできましたので、その辺は分かっているつもりです。
しかし「エネルギーバンパイア」と関わったパートさんが次々と辞めていく現状に動揺したのも事実です。
私に「負けないで下さいね」と言い残して辞めていったパートさんの顔が今でも忘れられません…。

私は残念ながら不器用な性格なので、うまく立ち回る事が出来ず「エネルギーバンパイア」の攻撃をもろにうけてしまう結果となりました。

仮面

現在

私の職場には数人の女性社員が居ます。
年齢も職歴もまちまちですが、お互いに助け合って仕事をしています。
しかし「エネルギーバンパイア」が加わると大変な事になるんです。

基本的に私の事は無視・仲間外れのような状況になります。
同じような時期に入社した女性のうち気に入った人には手厚い指導で優しく説明をしてあげるのですが、気に入らない人には厳しい指導で突き放したような扱いをしています。
それも周りに気づかれないような形でやるのが上手いんですよね。

わざとなのか、気づいてないのか、そこは分かりかねますが裏表がバレバレの発言をするのも特徴です。
まず気に入らない人でも近づいて話しかけ相談に乗るような会話をするんです。
そして聞いた事を他の人の前でバラして「仕事も出来ないのに、こんな事を言ってる」「辞めてしまえ」などと言うんです。


私の場合は関わらないようにしていたので、単純に言いたい事・文句を他の女性社員に言っていたようです。
たいした事では無い些細な事を、大問題のように…。
でも、私の前では一切言わない。
後々になって知った私が他の女性社員に「本当にそんなこと言ってたの?教えてくれれは良かったのに…」と言ったら「別に問題無いし、どっちでも良い事だから~」と言ってくれました。

そうやって他の女性社員に助けられながら、何とか距離を取って仕事をしていたのですが問題が起きてしまいました…。

問題

先日「エネルギーバンパイア」が部署移動する事になったんです!!
私は引き寄せの法則で「エネルギーバンパイア」と関わらない生活を引き寄せられたと思い喜びました。
仕事自体は大変になるけど、精神的に平和な生活が送れると心の底からホッとしました。

が、そこは最強の「エネルギーバンパイア」です。
明日から顔を合わせなくて済むと言うタイミングで仕掛けてきました。
何の問題もない些細な会話の事で声を荒げて詰め寄ってきたんです。

「私が何かしましたか?」「そういう態度を取られると傷つきます!」

それは私のセリフです。と言いたくなる言葉を投げかけられた私は思わず「それは、お互い様なので気にしないで下さい」と言い返してしまいました。
それが気に入らなかったのか、ここぞとばかりに続けてきました。

「友達じゃないんだから仕事の会話くらいちゃんとして下さい!」

欠伸をする猫

私としては仕事だと思うから話もするし受け答えもしているんですけどね。
これ以上絡まれるのも嫌だったので「そうですか、すいません」と言って会話を打ち切りました。
この後、更なる追い打ちをかけてきた上司の言葉がこれです。

「受け取り方は人それぞれだから少し気を付けたら」

はぁ?
それは受け取る側に言ってもらえますか?

それから不覚にも涙が溢れ仕事にならず離席してトイレへ行こうとしたら泣いている女性社員がいるじゃないですか!!
話を聞くと「エネルギーバンパイア」にあれこれ仕事を押し付けられ潰れそうになっていました。
私たちは、しばし泣きながらその場で動けなくなりました。

展開

泣いている私達を見た、私が信頼している女性の先輩社員が駆け寄ってきてくれました。
それぞれが、泣いている理由をすべて話しました。
思わず「そんな事で?」と言う内容に絶句されていました。
潰れそうになっている女性社員には「大丈夫、みんなでやれば良いんだから」と優しく慰めていました。

この一件で「エネルギーバンパイア」以外の女性社員の結束がさらに強くなりなした。
「エネルギーバンパイア」が何を言おうと、みんなは私の言う事を信じてくれました。
私は「エネルギーバンパイア」に何を言われても、みんなが分かってくれてるんだから頑張ろうと思えました。

「エネルギーバンパイア」とのやり取りを見ていた他の男性社員は見て見ぬふりです。
ビビっているのか、関わってはいけないと本能で感じるのか…。
こんな時に男性の本性って垣間見れるんだなぁ~などど思う冷静な自分がいる事に驚きました。

明日になれば「エネルギーバンパイア」から解放され穏やかな生活が始まる。
大丈夫。
みんなで協力して乗り切れば良いんだから。
大丈夫。
私達ならやれる。

この日は、助け合える仲間が居る事に励まされ泣きながら帰りました。

つづく

明日から気持ちも新たに頑張ろうと上を向いた私に更なる攻撃が待っているとは、この時は思いもしませんでした…。

本当に恐ろしい「エネルギーバンパイア」
私はどう対処すればよいのでしょうか…。

ハルでした。

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